メイクも無添加がイイってホント?ストレスフリーなメイク術 18.08.29  (更新: 

余計な化学物質を含まず、安心して使える化粧品として人気の「無添加化粧品」。
一口に「無添加化粧品」と言っても、スキンケア化粧品からヘアケア用品、ボディケア用品など、さまざまな商品が販売されています。

その中でスキンケア化粧品と並んで常に注目されているのが「無添加メイク」。

美肌やエイジングケアに質の良いスキンケアはもちろん重要。
でもお肌本来の美しさを高めるためには、メイクにもこだわった方がいいんです。

ほぼ毎日使うものだから、スキンケアと同じでお肌の状態を左右するアイテムなんですよ。

ここでは、無添加スキンケアと併用することで肌機能UPも期待できる「無添加メイク」についてご紹介します!

無添加ってナニ?無添加のメイクって本当にいいの?

そもそも「無添加」とはどういったものなんでしょうか?

実は日本では化粧品について「無添加」をうたう上での決まりがなく、明確な定義がありません。
その基準は現在でも各メーカーに委ねられている状況なんです。

現在、日本のメーカーが無添加化粧品の定義としているのは
(1)「表示指定成分(旧表示指定成分)(※1)が配合されていない」か
(2)「石油由来の防腐剤(パラベンフリー)・界面活性剤・合成着色料・合成香料・鉱物油由来成分の5つが配合されていない」、
このどちらか。

簡単に言うと「表示指定成分(旧表示指定成分)が入っていない」もしくは「肌に刺激のある5つの成分が入っていない」=無添加とうたわれているものが多いということ。

でもこれらの成分や、指定成分が入っていない無添加化粧品が必ずしも安全とは言い切れません。
それは肌トラブルやアレルギーの原因が、こうした化学物質だけとは限らないからです。

敏感肌や乾燥肌で肌のバリア機能が落ちている方など、肌が弱った状態だと、何が肌トラブルを引き起こすかわかりません。
特にアレルギーは安全だとされる自然由来の成分などが引き金になることもありますよね。

さらに防腐成分の配合には「薬機法」が関係しています。
日本では製品として販売する化粧品は、薬機法(医薬品医療機器等法)によって3年は腐敗しないよう品質を保つことが定められています。

ところが防腐剤が使用されていなければ、化粧品は数日で腐ってしまい、3年も品質を保つことはできません。
そのため、パラベンフリーや防腐剤無添加と言われている化粧品にも、何かしらの防腐成分が含まれています。

まったく防腐成分が入っていない化粧品なんて存在しないはずなんです。

このように、無添加化粧品と言っても全ての人に安全とは限らず、何が原因で肌トラブルが起こるかわかりません。
通常の化粧品よりも肌への負担が少なく、肌機能を高める可能性はありますが「無添加だから安心」と安易に選ぶのは間違い。
無添加であっても、あなたに合わない成分が含まれていないことを確認して選ぶことが大切なんです。

こういった無添加化粧品の現実を知ると「無添加メイクって本当にいいの?」、「普通のメイクと何が違うの?」と思われるかもしれません。
確かに無添加の定義のあいまいさという問題はありますが、無添加という言葉だけに踊らされることなく、きちんと成分を確認した上で使えば、肌に余分なダメージを与えることなくメイクすることができるんです!

さらに無添加メイクには、肌にダメージとなる化学物質を含まないだけでなく、独自の原料を使っていたり、それ自体にスキンケア効果があるなど、通常のメイクアイテムと違う点がいくつかあります。

次は無添加のメイクの種類について見てみましょう。

(※1)表示指定成分(旧表示指定成分)とは...表示指定成分(旧表示指定成分)とは、かつて厚生省がアレルギーを引き起こす可能性があるとして指定していた103種類の成分のこと。

無添加のメイクアイテムは種類も豊富!

無添加のメイクにもその原料や成分、特長などさまざまありますが、おおまかに分けると次の2つです。

植物由来など天然成分にこだわったもの

無添加と聞いてまず思い浮かべるのは、天然成分を使ったものではないでしょうか?
メイクでも無添加と言えば「肌に負担をかける化学物質を使わず、100%天然由来の成分を使っている」といった、ナチュラル志向のアイテムがほとんど。

天然の植物オイルや植物エキスを配合し、防腐剤や香料などを使用せず作られています。
使われる天然成分は各メーカーによって異なりますが、原料にこだわり、独自の製造方法をとっていることが多いようです。
また、ヒアルロン酸やビタミンC誘導体など、美容成分も配合してスキンケア効果を期待できるものまであります。

天然成分にこだわったメイクブランドとしては、完全無添加の「リペアファンデーション」を扱う「リソウコーポレーション」、スキンケア発想のメイクを提案する「ナチュラグラッセ」、無添加化粧品のパイオニアとも言える「ファンケル」などがあります。

ミネラルを原料にしたミネラルコスメ

無添加のメイクアイテムとして、もう一つ有名なのが「ミネラルファンデーション」。
ミネラルファンデーションとは、その名の通りミネラル=天然鉱物を原料にしたファンデーションです。

今ではファンデーションの他にチークやアイシャドウなど、ミネラルを原料にした他のメイクアイテムもあり、総称して「ミネラルメイク」「ミネラルコスメ」と呼ばれています。

ミネラルコスメはマイカ(雲母)・酸化チタン(二酸化チタン)・酸化亜鉛・酸化鉄などのミネラル(天然鉱物)が主成分。

また、最初にミネラルファンデーションを提唱したDIANE RAGER(ベアミネラル創業者)は、合成着色料・タルク・賦形剤・鉱物油・合成香料の5つが入っていないものをミネラルコスメとしています。

ただミネラルコスメも、日本ではこのようなはっきりとした定義がなく、ミネラルコスメと言いながら他の成分が入っているものがあります。
ミネラルコスメを選ぶ時も、成分をしっかりチェックした方がいいでしょう。

またミネラルコスメは、肌への刺激となる余分な成分が含まれないだけでなく、原料自体にいくつものメリットがあるのが特長。
その中でも一番のメリットは「クレンジングがいらない」ことでしょう。

ミネラルの性質から石鹸でメイクが落とせるので、クレンジングで皮脂を落としすぎたり、肌のバリア機能を低下させる心配がないんです。

他にも消炎作用を持つことから肌荒れを抑え、スキンケア効果が期待できたり、紫外線カット効果が高い、発色が良いなどといったメリットがあります。

ミネラルコスメを扱うメイクブランドとしては、日本初の国産ミネラルファンデーションを製造・販売する「エトヴォス」、保湿成分スクワランで有名な「HABA」、美容機器メーカー・ヤーマンが手がける「オンリーミネラル」などがあります。

無添加のメイクアイテムはどう選ぶ?おさえておきたいポイント

無添加のメイクにはいろいろなメリットがありますが、たくさんの商品があり成分や特長もさまざま。
本当に自分に合ったものを見つけるのは、なかなか難しいですよね?
無添加のメイク選びに失敗しないためにどういった点に気を付けたらいいかと言うと、ズバリ「どんな成分が入っているか」。

これはスキンケアでも言えることですが、たとえ無添加とされているものでも自分の肌に合わない成分が入っていると、かえって肌トラブルを招くこともあります。
何度も言いますが「無添加だから安全」とは言い切れないんです。

自分の肌に合わない成分が分かっている場合はその成分が配合されていないものを、特に合わない成分がないという場合はどの成分に着目するか(天然成分100%のもの、ミネラルが主成分のものなど)こだわる点をしぼって、トライアルセットやサンプルなどで少しずつ試しながら決めるといいでしょう。

自分なりの基準を決めたら、次に問題になるのが配合成分の見方。
化粧品の成分表示にはいくつかのルールがある上、普段あまりなじみのない成分名で表示されています。

知識がないと読み解くのが難しそうですが、以下のようなポイントをおさえておけば判断しやすくなります。

全成分表示が基本だが表示されない成分もある

化粧品に含まれる成分は、薬事法によって全て表示することが義務付けられていますが、キャリーオーバーと呼ばれる成分は表示しなくても良いことになっています。

キャリーオーバー成分は、原料・成分の保持に使われるもので、ごく微量のため製品になった時には効能を発揮しないとされている成分。
本来肌への影響はないはずですが、肌が弱い方やアレルギー体質の方には、微量であっても肌への刺激となることがあります。

肌への負担となる成分が表示されていなくても、肌に合わない場合があることを知っておきましょう。

化粧品の成分は配合量の多い順に記載されている

成分の表示を見ても、配合量まで記載されているものはほとんどありません。
でも「ヒアルロン酸」とだけ書かれていても、1%の配合量と10%の配合量では効果が違ってくるはずです。
そこで目安にしたいのが成分が記載されている順番。
化粧品の表示ルールとして、配合量の多いものから順番に記載することになっています。

着目する成分が全表示中のどの部分に記載されているかを見れば、その成分の配合量を判断することができるんです。

例えば、ヒアルロン酸配合化粧品が2つあったとすれば、全表示中で先にヒアルロン酸が記載されている化粧品の方が、ヒアルロン酸の配合量が多いというわけですね。

詳細な成分名の一例

化粧品に配合されているものは全て表示することになっていますが、難しい成分名で書かれていてよくわからない、という人も多いのでは?

何度も言うように、商品を選ぶ時は無添加だからと過信せず、きちんと内容を確認すべき。
そのためにはある程度、成分名を知っておいた方がいいでしょう。

化粧品に使われることの多い詳細な成分名の一例をあげますので、参考にしてみてください。

【防腐剤】メチルパラベン・エチルパラベン・フェノキシエタノールなど<
防腐剤は化粧品が腐敗しないよう、品質保持のために使われます。
無添加化粧品の場合、腐敗の原因となる微生物や雑菌が育ちにくい製造方法や、密閉性の高い容器を使用することで品質を保持しています。

【界面活性剤】ラウレス硫酸Na・PEG-60水添ヒマシ油など
界面活性剤は、本来混ざらない水と油を混ざりやすくするもの。
油汚れを落とす働きがあるので、主にメイク落としやクレンジングなどに使われます。
他にも保湿作用、殺菌作用などもあるため、乳液やクリームなどに使われることもあります。

ただ界面活性剤は洗浄力が高い分、必要な皮脂まで落として肌のバリア機能を低下させるといったデメリットも。
こういった点から「界面活性剤不使用」をうたった無添加化粧品も多いです。

ミネラルコスメであれば、界面活性剤を使用したクレンジングを必要としないので、肌への負担も少なくなります。

【着色料】
(無機顔料)酸化チタン・酸化鉄・タルク・シリカなど
(有機合成着色料)タール色素(赤色201号・黄色404号・赤色213号・黄色5号・赤色226号・青色404号など)
(天然色素)アスタキサンチン・カロチン・コチニール・ベニバナなど

「合成着色料不使用」とうたった無添加化粧品も多いですが、実は化粧品に使われる着色料には「無機顔料」「有機合成着色料」「天然色素」の3種類があります。

無機顔料は、水にも油にも溶けない粉状の着色料で、鉱物を砕いたり化学的に合成して作られます。
あまり発色が良くなく色や種類が少ないようですが、変色や劣化が起こりにくい特徴があります。

有機合成着色料は、無機顔料で作り出せない鮮やかな色を出すために科学的に作られた着色料。
赤色〇号、青色〇号などと表記されます。

かつてはコールタールに含まれる成分を使って作られていたため、タール色素とも呼ばれています。
色褪せしにくく落ちにくいものの、中には発がん性など危険性が指摘されているものもあります。

天然色素は、動植物から取り出した天然素材のもの。
天然のものなので肌に優しいですが、熱や光で変色・劣化しやすく、発色もあまりいいとは言えません。

無機顔料と天然色素は、有機合成着色料に比べて鮮やかさは劣りますが、刺激が少なく肌に優しいとされ、敏感肌用のファンデーションなどに使われます。

【香料】
(合成香料)ファルネソール・シトラール・ローズオキサイドなど
(天然由来の香料)オレンジ油・ラベンダー油・ローズ・ムスクなど

香料にも人工的に作られた合成香料と、動植物から作られた天然由来の香料とがあります。

化粧品に香りは必要ないように思えますが、使われる原料によっては臭いが気になる場合もあり、心地よく使うために配合されることがあります。
無添加化粧品の場合、香料が使われることはほとんどないと思いますが、刺激の少ない天然由来香料は配合されている可能性もあります。

香料は成分表示の際、合成香料でも天然由来の香料でも「香料」としか表記されないため、表示を見ただけではどちらが使われているかわかりません。
そのため無添加化粧品では、あえて「合成香料無添加」とうたっていることが多いんです。

スキンケアもメイクも無添加で!肌機能をUPしよう!

無添加化粧品は、スキンケアもメイクも自分に合ったものを選ぶのはなかなか難しいもの。
でも、きちんと成分や特長を把握して選べば、今より肌本来の力がUPして、美肌やエイジングケアにもつながります。

無添加でも人によっては肌に合わないものもあるので、使う前にパッチテストをしたり、肌荒れを防ぐため使用期限を守るなど注意点はありますが、上手に使って、お肌をいたわりながらメイクを楽しみましょう!

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