基礎化粧品選びには「エモリエント効果」が超重要! 18.07.11  (更新: 

「エモリエント効果」とは髪やお肌の柔軟性と潤い、栄養分を保つ効果という意味で、化粧品やシャンプーなどの効果の一つとしてよく使われます。

よく、保湿と何が違うの?と疑問に思われる方もいると思いますが、保湿は単に水分を留めておくことをいい、エモリエント効果は保湿に加え、カチカチに硬くなってしまったお肌を柔らかく元の状態に戻す効果という意味につかわれます。

つまり、お肌を保湿して「柔らかくする」という意味ですね。

今回はこの、化粧品についての「エモリエント(柔軟)機能」について詳しくご紹介したいと思います。

化粧品におけるエモリエント効果の重要性

前述したようにエモリエント効果は単なる保湿だけでなく、お肌を柔らかくする効果のことで、化粧品の場合、いくら保湿効果に優れていても、お肌の柔軟性を改善できないことには、若い頃のような美肌を取り戻せません。

いつも洗顔後に行うスキンケアでは化粧水でお肌に潤いを補充し、その上から乳液の油分の薄い膜で蓋をすることで水分が蒸発するのを防ぎ、保湿効果が生まれます。
この乳液の役割がエモリエント効果です。

似たよな言葉で「モイスチャー効果」というものがありますが、モイスチャー効果とは水性の成分を補水し、角質層で水分を保持する「保水効果」のことです。

つまり、化粧水で補水して保水効果を高め、補水した水分が蒸発しないように乳液で油分を補って幕を張り、保湿する、という感じです。
つまり、「化粧水」で補水(保水)→「乳液」で油分を補って保湿する、ということです。

このようにエモリエント効果は潤いのある、しなやかなお肌を保つためには、とても重要なのです。

エモリエント効果のある成分(エモリエント剤)一覧

次に具体的にエモリエント効果のある成分について、ご紹介します。

  • IPM(ミリスチン酸イソプロピル)

    成分表示名称「ミリスチン酸イソプロピル」、「イソプロピルミリスタート」と呼ばれることもあるIPM。
    無色透明で粘度の低い成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • IPP(パルミチン酸イソプロピル)

    成分表示名称「パルミチン酸イソプロピル」、粘度の低いオイル成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)

    医薬部外品表示名称「N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)」。
    アミノ酸系のエモリエント効果の高い成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/べヘニル)

    医薬部外品表示名称「N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2-オクチルドデシル)」。
    アミノ酸系のエモリエント成分で保湿力が高く、化粧品ではセラミドの代替品としても広く使われています。
    毛髪に対してはCMC(毛髪細胞膜複合体)様の機能があり、ダメージを受けて弱くなった毛髪の強度を回復させる効果などが報告されています。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • アーモンド油(アーモンドオイル)(スイートアーモンド油)

    無色、または淡黄色のオイル成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、金属アレルギーの原因となるニッケルが含まれるため、注意が必要です。

  • アサ種子油(ヘンプシードオイル)(ヘンプオイル)

    青緑色の植物オイルです。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル(ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2)

    ラノリン様のエステル油で、主にペンシル系メイクアップ化粧品に配合されています。
    ノンコメドジェニックで現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • アプリコットカーネル油(アンズ核油)

    医薬部外品表示名称は「キョウニン油」。
    粘性の低い、サラサラしたオイル成分です。
    乾燥肌や敏感肌、くすみなどの改善効果が認められ、シワ、たるみといった肌老化を防止する作用があります。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、シラカバ花粉のアレルギーがある人は本成分でもアレルギーが起きる可能性があり、注意が必要です。

  • アボカド油(アボカドオイル)(ワニナシ油)

    薄黄色、または暗緑色の油脂成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、シラカバ花粉のアレルギーやラテックス(ゴム)のアレルギーがある方には、本成分でもアレルギーが起きる可能性があり、注意が必要です。

  • アマニ油

    淡黄色、または黄色の油脂成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • イソノナン酸イソトリデシル

    無色、または淡黄色の粘性の低いオイル成分です。
    粘っこい油性感が少なく、サラサラした成分で他の成分との相溶性も良く、様々な化粧品などに配合されます。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • コムギ胚芽油(ウィートジャームオイル)

    淡黄褐色で透明な油脂成分で、主成分はリノール酸、オレイン酸です。
    ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛などの他、特にビタミンEは豊富に含まれ、高い抗酸化力あります。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、小麦アレルギーや金属アレルギーの方は、本成分でもアレルギーが起きる可能性があり、注意が必要です。

  • エクトイン

    微生物などにあるアミノ酸の一種の有機化合物です。
    本成分は人の皮膚の水分量を高い次元で保護する働きがあるとされます。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • エチルヘキサン酸セチル(ヒト型セラミド)(ヒトセラミド)

    医薬部外品表示名称は「2-エチルヘキサン酸セチル」。
    エステルの低粘度のオイル成分です。
    旧称は「オクタン酸セチル」とも呼ばれていました。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • オクチルドデカノール

    医薬部外品表示名称は「2-オクチルドデカノール」。
    無色透明の高級アルコールで、低粘度の油性成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • オリーブ果実油(オリーブ油)(オリーブオイル)

    医薬部外品表示名称は「オリブ油」。
    淡黄色、または淡黄緑色の植物性油脂のオイル成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、本成分はニキビの原因となるアクネ菌の餌となるため、ニキビがある人がお肌に塗布すると、ニキビが悪化する恐れがあるので注意が必要です。

  • カカオ脂(カカオバター)(ココアバター)

    淡黄色の固形脂肪成分です。
    チョコレートの原料で抗菌作用があります。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、カカオアレルギー、金属アレルギーの方は注意が必要です。

  • ラノリン(吸着精製ラノリン)

    白色、または黄褐色の粘性のあるクリーム状成分です。
    本来、癖のある臭気やアレルギー性があり、これらの欠点を除去したラノリン誘導体などが現在使われています。
    日本では通常、アレルギーの原因となるラノリンアルコールやラノリンステロールが完全に除去された「吸着精製ラノリン」が使用されており、安全性の高い成分です。
    現状、吸着精製ラノリンであれば重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、吸着精製ラノリンが配合されていても「ラノリン」としか成分表示されていないケースが多く、安全な吸着精製ラノリンか危険なラノリンかはメーカーに直接確認する必要があります。

  • グルコシルセラミド(水溶性セラミド)

    セラミドにグルコース(ブドウ糖)が結合したスフィンゴ糖脂質の一種で、セラミドが95%、糖脂質が5%から成る成分です。
    保湿効果はセラミドと同じく高いですが、ヒト型セラミドと比べると若干低くなります。
    本成分は抗アトピー効果があると期待さています。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • グレープシード油(ブドウ種子油)

    無色、または淡黄色の透明なオイル成分です。
    主成分はリノール酸やオレイン酸で、抗酸化力に優れ、保湿力のある成分です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • ゴマ油(セサミオイル)

    料理でもよく使う、やや粘性のある茶褐色で透明のオイル成分です。
    主成分はリノール酸やオレイン酸です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、精製されていない、粗製や未精製のゴマ油の場合、ゴマアレルギーの方はアレルギーを起こす可能性があるので注意が必要です。

  • コムギ胚芽油(ウィートジャームオイル)

    淡黄褐色で透明なオイル成分です。
    主成分はリノール酸でビタミンEなどの栄養素が豊富に含まれ、抗酸化作用に優れています。
    肌荒れや乾燥肌に有効です。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、小麦アレルギー、金属アレルギーの方はアレルギー反応が起きる可能性があるので注意が必要です。

  • コメヌカスフィンゴ糖脂質(米セラミド)

    セラミドが95%、糖脂質5%から構成される、コメヌカより抽出されたスフィンゴ糖脂質の成分。
    他の植物性スフィンゴ糖脂質と比較しても、このコメヌカスフィンゴ糖脂質の方が法水力が高いとされる。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • コメヌカ油

    イネのコメヌカから抽出される、淡黄色のオイル成分です。
    肌を柔軟にし、保水力に優れた成分で、現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • コメ胚芽油

    イネの胚芽から抽出される、淡黄色で粘性のあるオイル成分です。
    γ-オリザノールが含有され、お肌の柔軟性、保水力に加え、血行促進作用などもあります。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • コレステロール

    白色の薄片、または粒状の結晶になった成分です。
    通常、コレステロールはお肌の表面の細胞間脂質内でセラミドと似たような保水の働きをしています。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。

  • サフラワー油(ベニバナ油)

    主成分はリノール酸の淡黄色のオイル成分です。
    リノール酸は血中コレステロールを減少させる働きがあり、サフラワー油は健康成分としてサラダ油などに配合されることが多いです。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、サフラワーはキク科植物のため、キク科植物のアレルギーがある方はアレルギー反応が起きる可能性があるので注意が必要です。

  • サンフラワー油(ヒマワリ種子油)(ひまわりオイル)(サンフラワーオイル)(ヒマワリ油(2))

    淡黄色、または黄色の透明のオイル成分です。
    柔軟効果や保水効果に優れるため、他のオイル成分と混ぜて、エモリエント剤として配合されることが多いです。
    現状、重大なアレルギー症状などの報告はなく、安全性の高い成分といえます。
    ただし、ヨモギアレルギーがある方はアレルギー反応が起きる可能性があるので注意が必要です。

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