ヒト幹細胞コスメの効果に疑問?? 18.05.31  (更新: 

ヒト幹細胞コスメの効果に疑問??

最近話題の「幹細胞コスメ」をご存知でしょうか。
「幹細胞」とは人間の皮膚や臓器といった体中のあらゆる箇所に存在している、細胞を生成する元になる細胞のことで、京都大学の山中教授が考案した技術では体の一部の細胞から他のどの部分の臓器でも再生できてしまうという万能細胞「iPS細胞」を開発し、注目を浴びました。
この細胞の再生技術をスキンケア化粧品に応用したものが「幹細胞コスメ」です。

シワやシミ、たるみといった肌老化は、お肌のターンオーバー、つまりお肌の再生周期の衰えによって起こります。
このターンオーバーを正常に戻すことができれば、若い頃のような美しいお肌に戻れるとして期待されるのが、幹細胞による細胞の再生技術を応用した「幹細胞コスメ」なのです。

この幹細胞コスメ、由来成分別に大きく3種類あります。
最初に「動物由来」、日本では安全面で問題があるとされ、流通していません。

次に「植物由来」。
植物由来の幹細胞コスメは今まで主流となっており、一定の評価を得ています。
特に4ヶ月もの間、萎びたり腐ったりしないという、奇跡のリンゴ「ウトビラー・スパトラウバー」を使用したリンゴ幹細胞コスメは今でもとても人気があります。

しかし、効果を得るためにはある程度の濃度が必要で、その必要濃度が配合されたコスメは限られています。(※1~2%以上の濃度が必要です)

最後に、最近とても人気が出てきた「ヒト由来」の幹細胞コスメ。
こちらも安全面で不明な箇所が多かった当初、日本では流通していませんでしたが、最近になって多くのメーカーが取り扱うようになってきました。

ここでは、この「ヒト由来」の幹細胞コスメについて、効果や実情についてご紹介していきます。

ヒト幹細胞コスメの効果

ヒト由来の幹細胞コスメは今まで主流だった植物由来のものよりも親和性が高く、効果が出やすいとしています。
それは、細胞の活性化に不可欠な「レセプター」と「リガンド」の仕組みがヒト由来の幹細胞コスメにしかないためです。

ただ、この仕組みが幹細胞に働きかけて、何らかのエイジング効果を期待するには真皮層にまで浸透しないといけません。
しかも、そもそも幹細胞自体にはとても危険な副作用があるため、幹細胞コスメに「幹細胞そのもの」は入っていません。(詳しくは後述)

そのため、真皮層に浸透しない幹細胞コスメは、ヒト由来でも植物由来でも同じ理屈で美肌を目指すため、ヒト由来の方が効果が高いなんてことはあるのか、疑問に感じます。
どちらも幹細胞が生成するEGFやFGF、コラーゲンやヒアルロン酸などの成長因子の保湿効果などを利用して、細胞の増殖を促進する効果を期待する、というふうに言われていますが、化粧品である以上は角質層までしか浸透、作用できないので、幹細胞エキス特有の効果は期待できないと思います。

また、そもそもヒト由来以外の植物由来などの幹細胞培養液に関しては、人間の細胞にどのように働くか仕組みすら現状明らかなっていません。

ヒト幹細胞コスメの安全性

幹細胞コスメの副作用について、まず、前述のように幹細胞コスメには「幹細胞」そのものは入っていません。
それは、もし幹細胞が肌に取り込まれてしまうようなことがあると、癌化しやすく、また、酷いアレルギー反応も起きやすくなるという大変危険な副作用があるためです。

ですので、少なくとも日本製の幹細胞コスメには幹細胞そのものは絶対に配合していません。
つまり、化粧品の「幹細胞コスメ」と再生医療でいう幹細胞の「再生技術」とは意味が違うのです。

このように、幹細胞自体が入っているわけではないので、副作用が起きるとすれば、基本的に従来の化粧品成分としてのアレルギー反応などの肌荒れ程度で、幹細胞特有の危険性はありません。

また、プラセンタ注射に関しては「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」などの感染の危険性があるために、ヒト由来のプラセンタ由来製剤を注射した人は日本赤十字社により2006年10月から献血や臓器移植が禁止された、という前例があります。
ヒトプラセンタは現在では薬機法(旧薬事法)で化粧品や食品への使用が禁止され、日本では入手できなくなっています。

このようなプラセンタの前例から、ヒト由来の幹細胞コスメが出てきた当初は、まだまだ実績も浅いために、化粧品などで美容成分として利用するには安全面で疑問視する専門家も多く、否定的な意見が見られました。
しかし、認可された2012年依頼、特に重大な被害の報告もなく、ヒト由来の幹細胞コスメの安全性に関しては、あまり問題はなくなってきたといえます。

おすすめの幹細胞コスメ、まとめ

このように、ヒト由来の幹細胞コスメはようやく安全性も認められ、一般に出回ってきて、価格も落ち着きだしました。

しかし、そのエイジング効果に関しては日本での化粧品の定義(化粧品は角質層に作用するものであり、真皮層にまで作用することを禁じている。)を逸脱しないという前提であれば、ヒト由来特有の細胞の活性化に不可欠な「レセプター」と「リガンド」の仕組みに、何の意味があるのか分かりません。

よって、あまり高価なヒト由来の幹細胞コスメは期待値も高くなるので、オススメはできません。
もし、幹細胞コスメを試してみたい方は、販売実績が長いメーカーの安価なもので十分ではないでしょうか。

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