プラセンタ(胎盤エキス)の美肌効果は? 副作用は? 16.02.07  (更新: 

(2018/2/26更新)

プラセンタは健康や美容の面で注目されていて、アンチエイジング効果も期待できる話題の成分。「シミが薄くなった」「ほうれい線に効く」といった声がある一方「効果がない」「副作用がある」なんてマイナスイメージも...。いろいろな噂があるプラセンタですが、実際はどうなんでしょうか?
ここではプラセンタにどのような美容効果が期待できるのか、本当に副作用があるのか、見ていきましょう。

プラセンタの特徴と美容効果

プラセンタは動物の胎盤から抽出された成分です。赤ちゃんの成長に不可欠な胎盤には、さまざまな栄養素や「生理活性物質(※1)」が含まれ、それらが健康や美容にいいとされています。
動物の胎盤から採れるというと抵抗のある人もいるかもしれませんが、化粧品メーカーや健康食品メーカーも開発・商品化に取り組んでいる、注目の成分です。

最近では、海洋性プラセンタや植物プラセンタという新しいタイプも出てきていますが、本来のプラセンタと同じではありません。プラセンタによる美容効果が期待できるものは、ヒト、豚、馬、羊など動物由来のものです。そしてプラセンタにはさまざまな特質があり、美容効果が期待されているんです。

・活性酸素の除去によるエイジングケア効果
活性酸素は体のサビの原因とされていて、増えすぎると老化を早める厄介者。プラセンタはこの活性酸素を除去してくれるので、シミやシワを防ぐことができます。
また、プラセンタに含まれる活性ペプチドやビタミンC・ビタミンE・ミネラルなどには抗酸化作用があり、体の酸化を食い止めて、老化を防いでくれます。

・細胞を活性化して肌の代謝やハリをUPする
プラセンタに含まれる「生理活性物質」の中には「成長因子」と呼ばれる成分があり、この成長因子には細胞分裂を活発にして新陳代謝を高める働きがあります。新陳代謝が上がれば肌の代謝も良くなり、美肌につながります。また、成長因子にはターンオーバーに必要な角化細胞などを活性化する効果もあり、それによってターンオーバーのサイクルが整うのだとか。ターンオーバーが正しく行われることは、美肌作りに大切ですよね。

さらにプラセンタには、真皮の繊維芽細胞を活性化する効果もあります。真皮は肌の奥深くにあり、肌を支える重要な組織。真皮の繊維芽細胞が活発になると、肌のハリや弾力を左右するコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などの生成が促されるんだとか。
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などは、加齢や紫外線などの刺激で減少してしまいますが、不足しても外から補うことはなかなか難しいもの。プラセンタによって体内で少しでも多く生み出されるようになれば、嬉しいですね。

・シミを防いで透明感のある肌に
プラセンタはエイジングケア世代の女性を悩ませる「シミ」にも効果を発揮します。

なぜシミが出来てしまうかというと、紫外線を浴びることで表皮内の「メラノサイト」という細胞が刺激され、それによって「チロシナーゼ」という酵素が活発になります。チロシナーゼはメラニン色素の生成を促す作用があるので、紫外線をたくさん浴びると、メラニン色素も多く生成されます。

またシミの生成には活性酸素も関わっています。紫外線はコラーゲンなどの肌に大切な成分を壊してしまったり、活性酸素を大量に発生させたりします。活性酸素は肌を酸化させ肌の炎症の原因にもなりますが、炎症を起こした肌は、メラニン色素を生成しやすくなります。

こういった理由でメラニン色素が大量に生成されたり、加齢などで新陳代謝が落ちてしまうと、処理しきれなかった余分な色素が肌に残ってしまい、それがシミとなって表れてしまうんです。
そこで注目したいのがプラセンタの効果。シミのもと「メラニン色素」の発生原因である「チロシナーゼの抑制」「活性酸素の除去」「抗炎症作用」によって、シミ予防が期待できます。

さらに、プラセンタは細胞をを活性化してターンオーバーを正常にする働きもあるので、それによって出来てしまったシミの改善にも役立つとされているんです!シミのもと、メラニン色素は表皮で作られるので、表皮のターンオーバーが活発であれば、シミが出来にくく、出来てしまっても薄くなりやすいということなんですね。

紫外線予防は大切ですが、プラセンタを使ったケアをプラスすることで、シミに対するより高い効果が期待できそうです。

・高い保湿効果
またプラセンタには高い保湿効果も。プラセンタの保湿効果には肌の潤いを保つために必要な「天然保湿因子」が関係しています。天然保湿因子の主成分はアミノ酸なのですが、その主成分であるアミノ酸が、プラセンタにはたくさん含まれているんです。
それによって肌の天然保湿因子の生成を促して、保湿力が高まるというわけ。プラセンタは肌のハリだけでなく、保湿にも効果が期待できるんですね。

(※1)生理活性物質とは...生き物の生理や行動に作用し、体の調節をする働きのある物質。具体的にはビタミン・ミネラル・アミノ酸・ホルモンなど。

プラセンタの摂取方法は?

美容成分を摂るには化粧品やサプリメントなどさまざまな方法がありますが、プラセンタには3通りの摂取方法があります。それぞれ異なる特徴があるので、一つずつみてみましょう。

注射

プラセンタ注射は、注射によってプラセンタを直接肌や体に取り入れる方法です。化粧品やサプリメントに使われるのは馬や豚の胎盤から抽出されたものですが、プラセンタ注射にはヒト由来の「ヒトプラセンタ」が使われます。

ヒトプラセンタは、国内で正常分娩された胎盤から抽出した有効成分を、さまざまな検査を行い、安全性が確認された上で使用されます。病気の治療や美容法の一つとして使われますが、ヒトプラセンタを使用する理由などから医療用薬品の扱いになり、プラセンタ注射は医療機関でしか受けられません。

このプラセンタ注射で認可されているものは、「メルスモン」「ラエンネック」の2種類のみで、メルスモンはホルモン系の疾患の治療ために、ラエンネックは肝機能障害の治療のために開発されたものです。
アンチエイジングなどの美容目的にはラエンネックが使われます。

期待される効果は、新陳代謝の活発化による紙の若返り、お肌のツヤやハリがUPする、シミの改善などさまざま。化粧品やサプリメントと違い、直接肌に注射することで、効果が実感しやすいというメリットもあります。 ただしその効果も一時的なもので、一度注射を打てばOKというものではありません。効果を持続させるには定期的に注射を打つ必要があります。個人差はあるものの、最初は2~3日程度、慣れてきても1週間に一度の頻度で打たなければいけません。

医療機関でしか受けられないので、わざわざ足をを運ばなければいけませんし、何よりコストもかかります。美容目的の注射の場合、保険適用外となり高額になってしまうことも...。
プラセンタ注射の料金は、1回につき1,000~3,000円が平均のようですが、注射の種類(皮下注射や筋肉注射など)や、一回の量によって料金に差が出てきます。

さらに危険性が指摘されている点もあります。注射には皮下注射・筋肉注射・静脈注射など、いくつかの種類がありますが、静脈注射(点滴)はプラセンタの摂取方法として認められていません。
静脈注射は直接血管内にプラセンタを注入するので吸収率は上がりますが、血圧低下や呼吸困難、ショック状態を引き起こす可能性があるからです。安全性が高いのは皮下注射か筋肉注射なので、そのどちらかを選ぶようにしましょう。

また「カクテル注射」と呼ばれる注射にも注意が必要です。カクテル注射はプラセンタにビタミンやパントテン酸などの他の美容成分を複数混合して注入する方法。美容クリニックなど一部の医療機関では実施されているところもあるようですが、これも認可されていない摂取方法です。
静脈注射と同じように血圧低下やショック状態など、思わぬ事故が起きる可能性があり、複数の成分を混合して注射することでどんな体調変化が起こるかもわかりません。

こういった点から、プラセンタ注射は効果が出やすいものの、あまり手軽ではなく安全性の問題もあり、続けるのが難しいケアの一つと言えるかもしれません。

化粧品

プラセンタを配合した商品にはプラセンタ化粧品もあります。
「プラセンタ配合」といっても、お肌に塗ってプラセンタの効果がすぐ表れるというものではありません。

化粧品が浸透するのは表皮の角質層までで、その下の真皮にまで浸透するものは基本的にないとされています。肌は何層かに分かれた構造で、その一番外側にあたる表皮の「角質層」が持つバリア機能によって、あらゆる刺激から肌の内側を守っています。

もちろんこれは角質層の大事な役割なのですが、化粧水や美容液などの化粧品も肌の奥深く「真皮」まで届くことはないんです。これは「ヒト由来」「動物由来」「植物由来」どれであっても同じこと。
最近では「真皮に働きかける」とうたった化粧品もありますが、かなり数は少なく高価なものがほとんど。
一般的に化粧品は「浸透しても角質層の奥まで」と考えた方がいいでしょう。

つまり、真皮に作用しない化粧品にプラセンタが配合されていても、劇的な効果は期待できないんです。
ただ角質層にはしっかり作用するので、ターンオーバーを正常にしたり、抗炎症作用によってニキビの炎症を抑えたりと、肌本来の力をUPするというメリットはあります。

サプリメント

プラセンタはサプリメントとして口から摂取するという方法もあります。
プラセンタを配合したサプリメントは、ドラッグストアや通販などでも購入できるので、プラセンタを使ったケアの中でも一番手軽で始めやすいでしょう。

プラセンタサプリメントの原料にもいくつか種類がありますが、即効性があり最も効果が期待できるヒト由来のエキスは使われません。というのも、ヒト由来のプラセンタエキスは医療用にしか使用が認められていないから。食品やサプリメントに使用することはできないんです。

では、プラセンタサプリメントにどんな原料が使われているかというと、馬や豚・羊などの胎盤から抽出した「動物性プラセンタ」魚の卵巣膜といわれる部分が原料の「海洋性プラセンタ」大豆や大麦・果実など植物の胎座と呼ばれる部分が原料の「植物性プラセンタ」があります。
ただ、海洋性プラセンタや植物性プラセンタにはプラセンタ特有の効果は期待できないのであまりオススメしません。

プラセンタには「細胞成長因子」という新陳代謝や細胞の成長を促す成分が含まれ、それが健康や美容にいいとされていますが、これは赤ちゃんを成長させる役割を持つ胎盤独自のもの。
そもそも胎盤を持たない魚や植物は「細胞成長因子」を持っていません。プラセンタと似た作用があるため「プラセンタ」と呼ばれるようになっただけで、実際に胎盤から抽出されるヒトプラセンタや動物性プラセンタとは全く違うものなんです。

こういった点からプラセンタサプリメントは「動物性」のものを選ぶ方がいいでしょう。
動物性プラセンタの中でもオススメなのは「馬由来(サラブレッド由来)」「豚由来(SPF豚)」のもの。
馬の妊娠期間は11~12カ月、1回の妊娠で1頭の出産と、人間の妊娠・出産と似ていて胎盤が厚く、濃度の高いプラセンタで親和性が高いとされています。豚は馬と違い、年に数回妊娠・出産し抽出できる胎盤が多くなるので、豚由来のプラセンタは馬由来のものより比較的価格が抑えられます。

プラセンタサプリメントは効果を実感できるまで平均で1~3カ月ほどかかりますが、安全性と手軽さの面から「続けやすい」というメリットがあります。プラセンタ注射のような即効性はありませんが、根気よく続けられれば確かな効果が期待できるアイテムです。

プラセンタの副作用

プラセンタを使用する上で気になるのが副作用ではないでしょうか?
プラセンタにはさまざまな効果が期待できる反面、残念ながら副作用が表れる可能性もあります。プラセンタには注射・化粧品・サプリメントの3つの摂取方法がありますが、いずれも副作用が報告されています。

まずプラセンタ注射。注射にはヒト由来のプラセンタが使われますが、実はヒト由来のプラセンタは使用することによるリスクが報告されています。
そのリスクとは、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病などの感染の危険性があるというもので、ヒト由来のプラセンタ製剤を注射した人は、日本赤十字社により2006年10月から献血や臓器移植ができなくなりました。
参考: 日本赤十字社「献血をご遠慮いただく場合」

現在ではヒトプラセンタは薬事法で化粧品や食品への使用が禁止され、これらの商品は日本では入手できなくなっています。日本国内で使用されるヒトプラセンタは、医薬品として認可されている「メルスモン」と「ラエンネック」の2種類のみで、美容目的のプラセンタ注射にはラエンネックが使われます。

日本で行われるプラセンタ注射は安全だとされていますが、人によっては悪寒・発熱・発疹などの反応が起きることがあり、特にアレルギー体質の方は注意が必要です。体の内側に作用するものなので、閉経後の方に月経再開が起きることもありますが、注射をやめればすぐに治ります。

次にプラセンタ配合の化粧品では過去に化粧水で健康被害が報告されています。40歳代の女性が全身に紅斑、浮腫(むくみ)、接触性皮膚炎などを発症し、化粧水の使用を止めると治まったそうです。

最後にサプリメント。サプリメントなどの経口摂取による健康被害は日本国内で3件報告されており、症状としては発疹、浮腫(むくみ)、せき、微熱など。

注射・化粧品・サプリメントと方法は違っても「体に取り入れる」という点ではどれも同じ。体質によっては副作用が出る場合もあります。特にアレルギー体質の方や肌が敏感な方は、少量から試してみる、副作用と思われる反応が出たらすぐに使用を中止するといった注意が必要です。

プラセンタはサプリメントで摂取するのがオススメ!

プラセンタは副作用の心配・値段・わずらわしさなどから、なかなか使用に踏み切れない人もいるかもしれませんね。でも確かな美容効果が期待できるプラセンタを、エイジングケアに取り入れないのはもったいない話。そこでオススメしたいのがプラセンタサプリメントです。

サプリメントならドラッグストアや通販で購入して気軽に始められますし、国内で製造・販売されているものは安全に摂取できると認められた原料しか使用されないので、安全性にも問題はありません。即効性はないものの、続けることで効果を得られる可能性があります。

そしてより安全なプラセンタサプリメントを選ぶためには、原料がポイント。輸入品などの海外のサプリメントは国産のサプリメントと基準が違い、注意が必要です。オーストラリア産やニュージーランド産のものは比較的安全性が高いとされていますが、やはり国産のサプリメントが安心でしょう。
国産のサプリメントも「原料や産地を確認する」「JHNFA(日本健康・栄養食品協会)(※2)の基準を満たしている」「SPF豚サプリメント(※3)である」といった点をチェックしておけばより安心です。

またアレルギー体質の方など、まれに副作用が表れる可能性もあるので、もしアレルギー反応が出た場合はすぐに使用を中止しましょう。さらにサプリメントは医薬品ではありませんが、飲み合わせにも気をつけたいところです。常時服用している薬がある方は、かかりつけの医師や薬剤師に相談した上で飲む方がいいでしょう。他に別のサプリメントを飲んでいる方も、飲み合わせによって成分が重複し過剰摂取になる場合があるので、ビタミンなどプラセンタの他に配合されている成分にも注意しましょう。

おすすめのプラセンタサプリメントはこちらでご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

(※2)JHNFA(日本健康・栄養食品協会)とは...日本における健康食品・栄養食品関連の企業による業界団体。健康食品の安全性自主点検認証制度の運営など、国民の健康の保持・増進を目的に健康食品や特定保健用食品などに関するさまざまな活動を行っている。

(※3)SPF豚サプリメントとは...SPFとは「Specific Pathogen Free」の略で、特定の病原体を持っていないという意味。日本SPF豚協会が定める厳しい衛生管理をクリアした施設で育てられた、悪性ウイルスや病原体を持たない豚にのみ与えられる認証。殺菌処理を抑えることができるため、プラセンタの有効成分を壊すことなく保持したサプリメント。

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